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Last update 2014/02/06

新製品

Kシリーズ
驚異のK構造

2009年夏、スピニング専用ガイドシステムとして発表されたKL、KT、KWという3種のKガイドからなる『Kシリーズ』は、現在9モデルとなりました。
ここであらためて、全Kガイドの根幹をなす糸絡み自動解除フレーム『K構造』の開発過程を紹介します。


傾斜フレームガイド史

FUJI傾斜フレームガイド誕生の背景には、ふたつの事件がありました。
まずは新素材・PEラインの登場。高い強度によって従来ラインより細い号数が使え、伸びが少ないため高感度であることから急速に普及しましたが、様々なメリットの反面、しなやかでコシがない特性は、従来ラインよりもガイドに絡みやすいことも判明。やがては、よりいっそうの釣果と釣り味向上を目指してナイロン、フロロも細糸化が加速。ラインにおけるこの傾向は、アングラーの集中力を著しく減退させるトラブルとしての糸絡みを明確にクローズアップさせることになりました。
もうひとつは、ラインがロッドの中を通るためにガイド絡みがほぼ起こらないとされた中通し竿(インターラインロッド)の台頭。
ロッドアクションを自在に作り出せることを筆頭に数々の強みを持つ外通し竿(アウトガイドロッド)の復権を目指し、最大の弱点であったガイドへの糸絡み克服に挑んだ答えが、FUJI傾斜フレームガイドの開発でした。
その第1号は、船上で発生する糸絡みを、リングを前傾させることで自然に、あるいは簡単操作によって外れるよう設計した'98年発表の船竿編DBシリーズ。この時点で、FUJIニューガイドコンセプト8番目の特長として「糸絡み減少」が加わりました。

DBシリーズ LCシリーズ

それから2年を経て、PEラインが急速に普及したサーフキャスティングの世界に投じたのが、'00年発表の投竿編LCシリーズ。
それまで中口径/背高が主流だった投竿ガイドシステムを一気に小口径/背低化し、ゆるやかな傾斜ブリッジによってキャスト絡み激減を試みたこのモデルは、間もなくベイトリールロッド(上向き使用)でも優れた糸絡み回避効果が認められ、船竿にも大きく進出。さらには、スピニングリールで極細PEのキャスト&シャクリを繰り返すエギングロッドのバット側ガイドとしてもすっかり定着しました。
こうして傾斜フレームガイド史を振り返ると、リング面を傾けたDBシリーズは第1世代。リング面は直立のままに、長く緩やかに伸びた傾斜ブリッジを持つLCシリーズは第2世代と見ることができます。


限界あり。なんでもかんでもローライダー

2点をロッドに固定するダブルフットガイドは、1点だけ固定するシングルフットガイドと比べてロッドの曲がりを硬くします。
投竿用として開発されながら、ローライダーの愛称で他ジャンルにも広く浸透したLCガイドの形状的特徴は「長くて低い」。傾斜ブリッジがあることで通常のダブルフットガイドよりもさらに全長が長く、そしてロープロファイル設計。ニューガイドコンセプト8番目の特長「糸絡み減少」にある“ガイドは傾斜しているほど、リングが小さいほど、背が低いほどラインは絡みにくく外れやすくなる”の通りの構造です。
投竿の大きな特徴といえば、一般的スピニングロッドと比べてリールからバットガイドまでがかなり遠いことです。これは、一般的スピニングロッドが、狙う魚のサイズとパワー・釣る条件・釣り方などの要素をバランスよく平均化して設計されているのに対し、投竿はとにかく遠くに投げることを最重視した設計だからです。
だから投竿よりもバットガイドがリールに近いスピニングロッドにLCガイドを装着し、一定の太さとコシのあるラインでキャストすると、高さと口径が合わないため、ラインがバットガイドに突入する際に発生する「チョーク抵抗」が増大してエネルギーロスとなり、飛距離低下をはじめ様々なマイナス要因が生じます。

長くて低いLCガイド

ではLCガイドの最大サイズ20を、いまの構造のままサイズアップさせるとどうなるか?
リング径アップ…それにつれて背が高くなっていく…同時に、ただでさえ長い全長もさらに長くなっていく…この長い前後をロッドに固定する…。とてもロッド本来のアクションなど維持できません。
やはりLCガイドは、遠投性能に特化した投竿のための、しかもキャスト絡み回避を最優先に開発された小口径・背低ガイド限定の構造なのです。



無謀?…絡みにくいシングルフットの開発

投竿以外のジャンルにも幅広く使える次世代スピニング用ガイドのあるべき姿はだんだん見えてきました。
ひとことでいえば、LCガイドを一般的スピニングロッドに使用した際の問題点をすべて解決すること。それは同時に、LCガイドとほぼ正反対の形状でありながら糸絡み回避機能に優れたスピニング用ガイドの開発を意味します。
どうせ無理難題ならば、あえて難度の高いものものから…と、はじめに着手したのは、最もキャスト絡みが起こりやすい “ロッドから長く伸びた突起”シングルフットハイフレームガイドでした。



PE絡みのメカニズム解明へ

使用リールに合った高さと口径で、飛距離はじめスピニングロッドの性能をバランスよく引き出すことで長年愛用されてきた従来シングルフットハイフレームガイド。その最大の弱点はなんといってもキャスト絡みでした。特にPEラインでのフルキャスト時には、熟練者でさえ細心の注意を払うといいます。多くのエギングロッドのバット側ガイドが、ある時期を境にシングルフットハイフレームからLCガイドに切り替わった時期がありましたが、そのある時期とは、エギングの定番ラインが、それまでのナイロンからPEに切り替わった時期にほかなりません。糸絡みのデメリットはあれど、その他のメリットによって依然広がり続けるPEライン。裏を返せば、普及すればするほど糸絡みの問題も大きくなるわけです。
楽しい釣りの始動であるキャスト。時合到来で心躍るキャスト。そんな時、いきなり発生するPEのキャスト絡み。焦る気持ちで複雑に絡まったラインを解く煩わしさ。集中力は急速にダウン…。NEWガイド開発にあたってまず取りかかったのは、PEラインで発生しやすい従来ガイドにおけるキャスト絡みのメカニズムを解析すべく、いつでも絡みを再現できる条件を把握することでした。なかでも、タックル以外で絡みに強く影響を与えると思われた自然条件「風」について、様々な向きと強さのもとでテストを繰り返した結果、キャストの瞬間「横方向からのそよ風」が吹いた時に最も絡みが発生しやすいことがわかりました。

従来シングルフットハイフレームガイド

主犯は風

横方向からのそよ風が引き起こすPEラインのキャスト絡み。その絡んだ状態の観察を続けるうち、キャスト時(正確にはキャスト直後)、主にバットガイドで最も発生頻度の高い「絡み方」を突き止めました。ルアーの飛行を急停止させるのは勿論、結びコブによってラインにダメージを与え、時にはラインブレイクをも招く、とても厄介な絡み方です。
それは、ガイドフレーム全体に絡みつくもので、絡み方はおおむね同じか、そのちょっとした変形であることも分ってきました。
開発の方向性は、この絡み方に対応できるフレーム構造を作り出すことに絞られました。
これがPE使用時に従来シングルフットハイフレームガイドで頻発していたキャスト絡みの正体です。以降、絡みの中でも最悪のケースの一つといえるこの絡み方を「ループ絡み」と呼ぶことにします。

PEライン使用時、従来Yガイドで頻発するループ絡み
Tangling demonstration filmed with high-speed, slow motion camera

Demonstration 1

LOOP TANGLING USING BRAIDED LINE AND STANDARD SINGLE FOOT HIGH FRAME GUIDE.

GUIDE: Y guide 25

LINE: Braided-line 0.8G and Fluorocarbon

Method:

Pull line from a fixed rod at speeds equal to a cast while applying a generated crosswind.


映像 スーパーカメラ映像 キャスト絡み実験
糸絡み実験

使用ガイド:

T-YSG 25


使用ライン:

PE0.8号+フロロカーボンリーダー


実験方法:

固定ロッドのラインをキャスト時と同じ力で引き出す。


備考:

横方向から送風。


リリース後のラインの動きは常に左から右です。

絡み完了後、ガイドにカブったループを外してみると、あとの絡みは簡単に解けてしまいます。ならば、フレームにカブったループをいかに外すかが解決への大きなカギ。ループを解くためには、それを解ける方向にラインを動かす「力」が必要ですが、この状況で使用可能なのは、飛んでいくルアーがラインを引っ張る力だけ。これをどうしたら絡みのループを解く力に瞬時に変換できるか…。それができるフレーム構造の考案が、NEWガイド開発最大の課題となりました。


自然に絡みが解けるフレーム・・・?

従来ガイドにループ絡みが発生した時、そのラインが絡む位置はリング頂点ではなく、必ずリングとブリッジの接合部あたりでした。
ここで絡みがしっかり締まっている場合、単に絡みの先のラインを前方(ティップ側)に引っぱるだけでは絡みは解けません。
これを解くためには、カブったループ、すなわち絡みの後に続くラインを、リング頂点を越えて反対側に移動させなければなりません。NEWガイドに求められるのは、絡みの先のラインを前方に引っぱるだけで、つまりラインがティップ方向に出ていく力だけで絡みをリング頂点に移動させることができる構造です。



構造のポイント(1)リングの適正な前傾

絡みの先のラインを引っぱるだけでリング部とブリッジの接合部の絡みをリング頂点に移動させるには、リングを前傾させればいいことがわかりました。前傾させるほど絡みはスムーズに移動し、また、ループ絡み以外のラインのカブりなどを回避するのにも有効となります。しかし傾けすぎるとリング内面積が狭くなりすぎてライン抵抗が増え、飛距離低下など糸通りに影響するため、注意が必要です。
検証を繰り返した結果、NEWガイドのリング傾斜角度は約70°としました。



構造のポイント(2)ブリッジの形

絡みの先のラインを引っぱりながら従来ガイドを前傾させていくと、たしかに絡みはリング頂点に向かって動きはじめます。しかし、これだけではカブったループは外れません。ループを外すには、ループがガイドの手前(リール側)を通らなければなりませんが、従来ガイドの構造では、ループはリング部とブリッジの接合部あたりでガイドの前方(ティップ側)に回り込んでしまい、絡みの先のラインをそれ以上引っぱっても、さらに強く絡みついてしまうのです。 これは、リング部とブリッジの接合位置が低いために起こる現象で、これを防ぐには、ブリッジをリングのほぼ真横の位置から滑らかにつなげる必要があることがわかりました。



構造のポイント(3)ブリッジとリングで二段傾斜

ブリッジがリング部の真横に滑らかにつながっていても、時にはループが前方(ティップ側)に回り込んで解けなくなることがあります。これを防ぎ、必ずループが手前を通るようにするには、横から見た時、ブリッジとリングの接合が一直線でなく、やや「く」の字に、つまり二段に傾斜している必要があることがわかりました。
これにより、ループがリング頂点に移動する時、ループを常に手前に引っぱる力が働いて前方に回り込むのを防ぎ、確実に手前を通って解けていくようになりました。


浮かび上がってきたNEWガイドの形



KLガイド誕生
KLガイド
Birth of K-Series guides filmed with high-speed, slow motion camera

Demonstration 2

K-Series guides in action!

GUIDE: KL guide 25

LINE: Braided-line 0.8G and Fluorocarbon

Experiment method : 

The same as Demonstration 1

映像 スーパーカメラ映像 Kガイド誕生

使用ガイド:

T-KLSG 25


使用ライン:

PE0.8号+フロロカーボンリーダー


実験方法:

固定ロッドのラインをキャスト時と同じ力で引き出す。


備考:

横方向から送風。


リリース後のラインの動きは常に左から右です。
糸絡み再現実験

この実験でわかったことは、K構造の場合、当然ループ絡みが起こるべき状況でも起こらず、その他の絡みについても初期段階で回避してしまうということでした。

こうして傾斜角度の大小に依存することなく、数々の構造の工夫を盛り込んだ「K構造」により、最も絡みが起きやすいはずのシングルフットハイフレームにおいて、しかも最も絡みやすいPEラインでのキャスト絡み解除に成功しました。様々な絡みの要因を初動の段階で回避し、たとえ絡みに至りそうになっても、ラインが出ていく力を利用して自然に絡みを解いてしまう「糸絡み自動解除フレーム」の誕生です。シングルフットで全長も最短のままに、ロッドのフレキシブルな曲がりを極力活かせるこのKガイド第1号を「KLガイド」と名づけました。


つづくK構造の展開

糸絡みを気にせずフルキャスト、チョーク抵抗は極小、ロッド本来のアクションを生かせる最短の全長、最小限の傾斜なのにラインのかぶりも抜けやすく、糸通りもスルスル … 一体化は不可能と思われたスピニング用ガイドに求められるこれら機能の兼備を、最も開発困難とされたシングルフットハイフレームKLで実現させたK構造。これを強度の高いダブルフットKWと、コンパクトなティップ用シングルフットKTにも応用。
リング面をどう傾けるか、あるいは、いかに傾斜ブリッジを設けるかという二者択一だった傾斜フレームガイドの概念を覆したKガイド3モデルは、最も絡みやすいPEのみならず、ナイロン・フロロでも糸絡み回避機能と安定した平均飛距離を実証。
その後のベイトキャスティング用途におけるK構造の検証では、既存ガイドおよび新規試作まで含めた比較テストの結果、糸通り、キャスト絡み回避をはじめとする総合的評価で、KWKTは下向き(スピニング)だけでなく上向き(ベイト)でも最高水準の性能であることが判明。
つづいて遊動型のKWMKM でテレスコロッドへ、そしてFUJI ガイド新理論K・RコンセプトモデルのKL-HKL-MKL-LKB
合計9モデルとなったK構造を持つKガイドによるKシリーズの展開はまだまだ続きます。

  • KT ティップ用シングルフット型Kガイド
  • KB ベリー専用Kガイド
  • KL シングルフット型Kガイド
  • KL-L ベリー/チョーク兼用型Kガイド
  • KW ダブルフット型Kガイド
  • KL-M ミディアムハイフレーム型Kガイド
  • KWM&KM 遊動型Kガイド
  • KL-H 超ハイフレーム型Kガイド
Fuji ガイドセット大幅追加