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ROD BUILDING & REPAIR

Vol.2
釣道楽屋 サバロ
ロッドビルディングとの出合い

取材店:日本橋 釣道楽屋 サバロ
Voice:助川博也(SUKEGAWA HIROYA)

 

「本当の魚釣りを楽しむ」ことの意味とは? 日本橋ロッドビルディングショップ 釣道楽屋サバロでのインタビュー第2回目となる今回も引き続き、サバロ二代目社長の助川博也さんから、ロッドビルディングとの出合いとその魅力について伺います。

 

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―ロッドビルディングを始めたきっかけは何ですか?

 

助川 学生の頃に雑誌で見た自作竿に憧れて、クロダイ用の落とし込み竿を作ったのが最初でした。竹の根っこをうまく使っている竿を真似たのですが、強度が足りなかったようで折れてしまいました。その後、丸橋さんが釣り上げた巨大なターポンの写真を見て、当時の丸橋さんの店だった「太陽」に行った時に、ロッドビルディングのパーツの多さに驚いたものです。2本目の竿は、基礎を教えていただきながら作ったシーバス用で、今でも活躍しています。それからはずっと市販の竿は使っていないですね。ロッドビルディングの魅力って、竿を作ることも面白いけど、釣りたい魚に特化した竿に仕上げて、魚釣りに臨むというスタイルがカッコイイと思うんです。より没頭するというか。しっかり魚と対峙しているという感覚を得られます。

 

丸橋 市販されている竿が悪いということではないんだよ。商売で作る竿だから、万人が使いやすい平均的な性能に仕上げないと多くは売れないじゃない。俺も初めは市販の竿を使っていたけど、狙う魚が明確になって行くにつれて、その魚と対峙する竿への要求も高まって行くわけ。「もっと特化した竿を」という風になってくると、自作するしかないからね。気が付いた時には、海外からパーツを取り寄せてまで自分だけの竿を作っていたね。

 

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―市販の竿は長らくお使いになっていないということですが、ロッドビルディングの竿はやっぱり性能が高いのですか?

 

助川 一概に性能が高いか? となると、市販の竿にも高性能なものはいっぱいあります。ただその竿は、高性能というだけで、本当に自分にマッチした竿でないと思うんです。ロッドビルディングで作られる竿は、持ち主が自分だけですから、多くの意味で専門的な仕上がりになります。その専門性を、自分でいろいろ考えながら作るわけですから、単純に楽しいんです。例えばプラモデルって、作る過程が楽しいじゃないですか。似たような感覚です。狙いたい魚の生息域や動きなどを考えながら、ブランク(※)やガイド、自分の手に馴染むグリップを選び、好みの色に塗装して仕上げる。世界にたったひとつだけの自分の竿が出来上がった達成感は大きいですし、さらにその先に魚が釣れるという喜びがあります。魚釣りのプロセスすべてを楽しめることが、大きな魅力ですね。「魚を釣りに行こう」と考える時間が長くなることは、魚釣りをもっと好きになるための近道ですし、そういう意味では、ロッドビルディングこそ、最高におもしろい魚釣りのプロセスだと思います。

 

 

―実際に釣るまでのプロセスに意味を持たせるということですね?

 

助川 どんな魚を釣りたいか、どんな竿に仕上げたいか、イメージをどんどん膨らませながら長い時間を楽しむんです。凝った装飾を施さない限り、難しいことはそんなにありませんから、最初は下手でもすぐに満足できる竿が作れるようになります。今使っている竿のリメイクから初めてみるものいいですね。ガイドをFuji のトルザイトに変えるだけで、竿の性能が格段に向上するのがすぐにわかるはずです。「ガイドくらいでそんなに変わる?」と侮らないでください。自分の竿だからこそわかりやすいですし、段違いにレベルアップしたことに、きっと驚くと思いますよ。そのひとつひとつのプロセスが、魚釣りをもっと好きにさせるきっかけになりますし、ロッドビルディングについても、もっと深く知りたくなるはずです。何より魚釣りが本当におもしろくなりますから。

 

※ブランク:ガイドやグリップ、塗装をしていない状態の竿本体。軽量で高い弾性力を持つカーボン素材と、しなやかで折れにくいグラス素材がある

 

 

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―自作の竿と市販の竿の一番の違いは何ですか?

 

助川 狙った魚を釣るために、竿の性能を特化できる唯一の方法がロッドビルディングですから、それが一番の違いになると思います。なにより、自然と自分の身体にマッチしたサイズや重さに調整しますし、デザインも自由に仕上げられますからね。常にベストな状態で魚釣りを楽しむことができる竿になるはずです。

 

市販の竿とロッドビルディングの竿に、これだけの違いがあるとは本当に驚きました。「本当の魚釣りを楽しむ」ためには、ロッドビルディングへのチャレンジが大きなカギとなりそうです。次回は、ロッドビルディングを始めるポイントについて、さらに深いお話を伺いたいと思います。
次回も乞うご期待ください。

 

 


 

助川博也(SUKEGAWA HIROYA)

1967年、千葉県生まれ。小学生の頃に魚釣りを覚え、大学生の頃から始めたスズキ釣りから、本格的に魚釣りの世界に没頭し始める。大学在学中すでに、ロッドビルディングへの入り口を開き、月刊誌「アングリング」に掲載された丸橋英三のターポン釣りの記事に衝撃を受け、有楽町の釣具店「太陽」に通うようになる。1994年、夢にまで見たターポンを釣りにコスタリカへ遠征し、初の海外釣行を体験。1999年、師弟関係にあった丸橋英三からの誘いを受け、釣道楽屋「サバロ」の店長として勤務しながら、ロッドビルダーとしての腕を磨く。2013年2月、釣道楽屋「サバロ」の経営を丸橋英三から引き継ぎ、二代目社長として就任。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。1995年、I.G.F.A.世界記録(20lbクラス)をスズキで取得。I.F.F.F.公認CI(フライキャスティングインストラクター)取得。世界のEIZOが認める凄腕のロッドビルダーとして、サバロの看板を担う質実剛健な男である。

 

丸橋英三(MARUHASHI EIZO)

1949年、銀座に生まれた生粋の東京育ち。本人曰く、物心ついた時から魚釣りを始め、その情熱はいまだ冷めることなく、さらに熱くなっているという。1973年、「サバロ」の前身となる、釣具量販店「太陽」を有楽町にオープン。最先端の道具やスタイルを積極的に取り入れた魚釣りを提唱し、業界に大きな影響を与える。1984年、クリスマス島でキャッチしたロウニンアジ(通称:G・T)で、日本人初となる「I.G.F.A.世界記録(16lbクラス)」を取得。その後も世界各国を釣り歩き、多くの記録を残している。特筆すべき記録としては、35年の歴史を誇る、米国フロリダキースの「ターポン・フライトーナメント(ダン・ハーリーおよびゴールドカップ)」で97〜99年の間、3連覇という史上初の快挙を達成している。これを機に“世界のEIZO”と呼ばれ、名実共に世界トップレベルのアングラーとして名を馳せる。現在、NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(J.G.F.A.)副会長、磯釣人魚会副会長を兼務。ロッドビルディングショップ「サバロ」の創業者として、最先端の魚釣りを牽引し続ける存在である。

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