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ROD BUILDING & REPAIR

Vol.3
釣道楽屋 サバロ
ロッドビルディングを始めるには

取材店:日本橋 釣道楽屋 サバロ
Voice:助川博也(SUKEGAWA HIROYA)

 

狙った魚を釣り上げるまでの、すべてのプロセスを楽しむ。そんな時間こそが「本当の魚釣りを楽しむ」と意味になるということが、ロッドビルディングによって深まって来ました。第3回目となる今回は、いよいよ、ロッドビルディングの始め方、そしてこだわりの道具で魚釣りをするということについて、引き続きサバロにてお話を伺います。

 

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―ロッドビルディングを始めたいけど、道具を揃えるのが難しいことはないですか?

 

助川 まず必要なのは、フィニッシングモーターという道具です。竿の両側を支えながら一定のスピードで回すことができる道具で、これがあればエポキシコーティングがやり易くなります。初心者の方へのおすすめは、Fujiのフィニッシングモーターです。ひと通りの機能が搭載されていて、使いやすく、価格も5,500円で手ごろなのが魅力です。このフィニッシングモーターが発売されてからは、ロッドビルディングにチャレンジする方が本当に増えました。もっと多機能で高価なフィニッシングモーターもありますが、コストパフォーマンスの良さと、それを上回る機能がありますので、必要十分ということですね。その他は、基本的に竿の必要パーツだけです。ガイドをFuji-トルザイトにしたとしても、リールや塗り道具など、すべての道具と材料費を含めて、3万円もあれば満足できる竿を完成させることができると思います。もし予算があれば、ラッピングが均一にできるFujiのロッドラッパーも大変便利です。

 

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―初めてロッドビルディングをする人におすすめの竿はありますか?

 

助川 ロッドビルディング向きの竿というのは特にありませんので、自分の魚釣りを想像しながら作ることが大事です。とりあえず作るのではなく、「どこで、何を釣りたいか」を考えることから始めてください。どんな魚を釣りたいか?遠くに飛ばしたいのか?感度重視で小さいアタリを捉えたいのか?自分の魚釣りと好みに特化した竿が作れることこそが、ロッドビルディングのおもしろさです。完成予想図をしっかり持っていれば、きっと良い竿に仕上がります。まず竿の性能を上げたいということであれば、ガイドはFuji-トルザイトを付けておけば間違いありません。ダウンサイジング効果で、より軽さが実感できると思います。ガイドのエポキシコーティングを最初から綺麗に仕上げるのはなかなか難しいですが、いらない竿があればそれを練習台にして要領を掴むのもいいと思います。

 

 

―Fuji-トルザイトのメリットは何ですか?

 

助川 単純に、今使っている竿のガイドをトルザイトに変えるだけで、性能の向上が実感できるところがすごいんです。店に来られるお客様の多くが「待ってました!」と大喜びですからね。サバロオリジナル竿のイクシークも、細く、軽く、竿先までピンとしている「細、軽、ピン」の三拍子を揃えることを理想としていますが、結局、魚とやりとりするのは、針とラインです。そのラインを支えている部分がガイドになりますので、大役を担う部分であることは間違いありません。

 

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―最後に粘るのは、ラインを支えるガイドという言い方もできそうですね

 

助川 竿のパーツを車で例えると、竿本体はボディ、リールはエンジン、ガイドはタイヤということになるでしょうね。すべて大切な要素になりますが、特に足まわりがしっかりしていないとトラブルを起こしやすくなります。素材構造自体がライン切れを劇的に軽減させますから、それだけで確実に魚釣りのスキル向上につながると考えていいと思います。さらに、従来のFuji-SiCに比べて25%も軽量になっていますから、強度もあって、しなやかで、軽くて、感度も優れる竿を作る最高の材料です。

 

 

―竿作りと言えば、竹を使った和竿をよく聞きますが、性能はどうなのでしょうか?

 

助川 魚釣りというのは、ふたつの性質を持っています。ひとつは、漁の手段としての釣り、もうひとつが、釣る行為そのものが目的の魚釣り、それがサバロの提唱する魚釣りです。例えば、漁獲高が必要な漁で、数十万円もするような竹竿を使う漁師はいません。性能面で見ても、1万円で買えるカーボン竿の方が勝っているからです。カーボンよりも竹の方が優れた性能を持っていたならば、飛行機は竹で飛んでいないとおかしいですからね(笑)。だけど、本当の魚釣りって、そういうものじゃないと思うんです。竹竿は高価ですし、扱いも難しいですが、風情という漁具にはない満足感があります。「こだわりが詰まったクラフトマンシップの道具で魚釣りをする」という趣向こそが、魚釣りを本当に楽しんでいるということになるのではないでしょうか。私たちは、漁を目的としない魚釣りを、「真正魚釣り」と呼んでいます。ロッドビルディングの本質は、魚を獲ることだけではなくて、魚釣りの世界をもっと深く楽しむことにあるということです。

 

 

何度も会話に登場する「細、軽、ピン」というキーワード。たかが竿、されど竿、一本の竿にも、人生をかけられる深い世界があるということがわかりました。「魚釣りとは、道具へのこだわりも楽しみ方のひとつである」という魚釣りに人生を捧げた助川さんならではの深いお話に、Fuji-トルザイトの性能をすぐにでも実感してみたくなります。さて次回は、全4回のインタビューが最終回を迎えます。サバロオリジナルカスタム竿「イクシーク」について、また、今おすすめの魚釣りシーンなど、さらにお話を伺いたいと思います。最終回、乞うご期待ください。

 

 


 

助川博也(SUKEGAWA HIROYA)

1967年、千葉県生まれ。小学生の頃に魚釣りを覚え、大学生の頃から始めたスズキ釣りから、本格的に魚釣りの世界に没頭し始める。大学在学中すでに、ロッドビルディングへの入り口を開き、月刊誌「アングリング」に掲載された丸橋英三のターポン釣りの記事に衝撃を受け、有楽町の釣具店「太陽」に通うようになる。1994年、夢にまで見たターポンを釣りにコスタリカへ遠征し、初の海外釣行を体験。1999年、師弟関係にあった丸橋英三からの誘いを受け、釣道楽屋「サバロ」の店長として勤務しながら、ロッドビルダーとしての腕を磨く。2013年2月、釣道楽屋「サバロ」の経営を丸橋英三から引き継ぎ、二代目社長として就任。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。1995年、I.G.F.A.世界記録(20lbクラス)をスズキで取得。I.F.F.F.公認CI(フライキャスティングインストラクター)取得。世界のEIZOが認める凄腕のロッドビルダーとして、サバロの看板を担う質実剛健な男である。

 

丸橋英三(MARUHASHI EIZO)

1949年、銀座に生まれた生粋の東京育ち。本人曰く、物心ついた時から魚釣りを始め、その情熱はいまだ冷めることなく、さらに熱くなっているという。1973年、「サバロ」の前身となる、釣具量販店「太陽」を有楽町にオープン。最先端の道具やスタイルを積極的に取り入れた魚釣りを提唱し、業界に大きな影響を与える。1984年、クリスマス島でキャッチしたロウニンアジ(通称:G・T)で、日本人初となる「I.G.F.A.世界記録(16lbクラス)」を取得。その後も世界各国を釣り歩き、多くの記録を残している。特筆すべき記録としては、35年の歴史を誇る、米国フロリダキースの「ターポン・フライトーナメント(ダン・ハーリーおよびゴールドカップ)」で97〜99年の間、3連覇という史上初の快挙を達成している。これを機に“世界のEIZO”と呼ばれ、名実共に世界トップレベルのアングラーとして名を馳せる。現在、NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(J.G.F.A.)副会長、磯釣人魚会副会長を兼務。ロッドビルディングショップ「サバロ」の創業者として、最先端の魚釣りを牽引し続ける存在である。

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