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SHOP ~INTERVIEW~

中野釣具店

仙台の象徴である青葉城から東西に走る青葉通り。日差しを浴びた街路樹の緑がまぶしく、この地が「杜の都」と言われる所以を感じる。

駅前の大通りを抜け、商店街につづく角をまがると、そこには昔ながらの街並みが広がっていた。

今回のFUJITACKLEPLUS+ショップインタビューは、仙台東照宮の門前町にある『中野釣具店』が取材先となった。

 

 

中野釣具店は、昔なつかしい釣具店の佇まいとなり、この由緒ある宮町商店街の移り変わりを見続けてきた風格を感じる。

 
 

店舗画像-2

 
 

約束した時間に伺うと店主である中野さんが出迎えてくれた。

取材のご挨拶をさせていただき、冷たい飲み物をいただきながら、ショップインタビューが始まった。

 

まず、『中野釣具店』の歴史についてお話しを伺う。

 

「この中野釣具店は、私の祖父が仙台市内を流れる広瀬川と名取川の組合員をしていたこともあり、戦後にはじめた商売のようです。正確にはわかりませんが、約60年くらいこの商店街で釣具店を営んでいると思います」と中野さんは創業当時の話をしてくれた。

中野釣具店は、祖父、父と代を重ね、現在三代目店主の中野雅夫さんが店を切り盛りしている。

 

 

では、三代目店主である中野さんの経歴について伺う。

「私は学校を卒業して、東北の老舗釣具問屋に10年間勤めました。そこでは釣具店を営むための基本を8年間学び、あとの2年間はその老舗問屋が展開したアンテナショップの初代店長を任され、実際の釣具店の仕事にも携らせてもらいました」とサラリーマン時代を振り返りながら話してくれた。

既に20年も前の話しではあるが、今でもその老舗問屋とは、オリジナルの船竿を一緒に企画するなど親密な関係が続いているとのこと。この話しを聞いただけでも中野さんのサラリーマン時代の仕事ぶりが伺い知れる。

 

 

ここまでは、中野釣具店の歴史、三代目店主である中野さんの経歴を伺ってきたが、今回のショップインタビューの本命である「ロッドビルディング」と「飾り巻」についてお話しいただく。

 

「ロッドビルディングと言って良いかわかりませんが、小学校4年生の時に木製の持ち手にグラスソリッドを刺して、FUJIの遊動ガイドと板シートを取り付けたのが、私にとって初めてのロッドビルディングだと思います。今思うと決して綺麗なつくりではありませんが、グラスソリッドに飾り巻風のデザインも施していますから、小学生なりに考えてつくったと思います」と言いながら、中野さんはその当時の竿を店の奥から出して来てくれた。
 
小学校4年生で、すでにロッドビルディングにチャレンジすることにも驚きなのだが、38年もその竿を大切に保管している中野さんに“ものづくりへの愛着”を感じる。
 
さらに驚いたのは、そのロッドは今でも現役で使用しているとのこと、やはり愛着のある道具には、「魂が宿る」という言葉は本当だった。
 
「ぜひ、その大切なロッドをもって撮影しましょう!」と思わず出た声かけに「本当にこのロッドをもって撮影します??」と少々戸惑いを隠せない中野さんを半ば強引に撮影させていただく。
 
 

中野さん

 

 

ものづくりに好奇心旺盛だった中野少年が手掛けたオリジナルロッド1号の撮影を終え、今度は中野さんのこだわりである『飾り巻』についてお話しをお聞きする。

 

「自分の飾り巻は趣味に毛が生えたようなものですよ」と謙遜しながら、手渡されたロッドを見て思わず息をのむ。

スレッド1本1本の重なり合いが生み出すデザインと色のグラデーションは、もはや芸術の域。
 
 

飾り巻き1

 

飾り巻き3
 
飾り巻き4
 
飾り巻き2
 
 

「お客様からご依頼のあったロッドは、完成するとすぐに手渡してしまうので、せっかく取材に来ていただいたのに、これくらいしかなくて…」とどこまでも謙虚な中野さん。

 

あらためて中野さんに飾り巻きを始めたきっかけについて質問を投げかけてみる。

「一番最初の飾り巻は、バスロッドをオフショアロッドに改造した時だったと記憶しています。当時、アメリカのPENN社のロッドには飾り巻が施されており、『かっこいい』と思い真似をしたのが最初だと思います」

確かの海外のロッドには飾り巻が施されていることが多く、「飾り巻=高級品」の証というイメージがある。

中野さん曰く、アメリカ人はドレスアップ好きで、ロッドに限らず車やバイクにもデザインが良くなるなら、ドレスアップすることに積極的であると説明してくれた。

事実中野さんもこの高度な飾り巻きの技術を身につけたのは、アメリカのロッドビルディングやスレッドアートのサイトを探し出し、スレッドパターン1本1本を確認しながら独学で習得したというから驚きである。

もともとものづくりに好奇心旺盛な中野さんではあるが、とことん突き詰めていく姿勢にただならぬ情熱を感じた。

また、アメリカのサイトだけではなく、室町時代から続く伝統の技と言われている「有馬人形筆」からも技法を学び、『飾り巻』に応用する研究熱心な姿勢には脱帽である。

 

20090907035117-2

 

 

中野さんはさらに続けて話してくれた。

「飾り巻は、自分だけのデザインはもちろんですが、スレッド同士が重なりあった時の色合いやコーティング後の発色を想像しながら出来るのも楽しみの1つです。正直何度も失敗してきましたが、その経験が次に活かされ常にステップアップ出来るのも魅力だと思います」と目を輝かせて話す中野さんに初めてロッドビルディングにチャレンジした時の中野少年がシンクロする。

 

色という要素は、人それぞれ感覚は違うもの。同じ青でも「濃い青をイメージする人」「淡い青をイメージする人」がいる。

ましてコーティングした後の発色まで考慮すると無限になると容易に想像がつく。

お客様からの要望を聞き、そのイメージ通りに仕上げる技術は、豊富な経験値に基づくものであり、究極のロッドビルディングテクニックと言えるだろう。

 

中野釣具店の店内には、このような飾り巻や中野さんが手掛けた“遊び心溢れる作品”が無造作に置かれ、まるで宝探しでもしているかのような感覚になる。

 
 

スレッドで表現したトラ柄のタイガーラップやクラック塗装、うるし塗り風のワカサギ竿の持ち手、フックキーパーの取り付けにも妥協しない中野さんのものづくりへの愛着が感じられるだろう。
 

店内2枚
 

店内2枚-2

 
 

杜の都と言われる仙台の夏、8月初旬には東北三大祭りである「仙台七夕祭り」が行われ、色とりどりな笹飾りが街を包み込む。

そんな仙台の由緒ある商店街で少年時代を過ごした中野釣具店三代目店主は、色を巧みにあやつりお客様の願いをかなえてくれる匠でした。

ショップインタビューを終え中野釣具店を出ると東北の美しい夕焼けが宮町商店街をオレンジ色に染めるところだった。

 

 


 

中野釣具店

http://st.cat-v.ne.jp/fsnakano/ (中野釣具店HP)

 

・住所 〒980-0004 宮城県仙台市青葉区宮町1-4-12
・TEL 022-261-0752
・FAX 022-261-0852
・営業時間 8:00~21:00
・定休日 不定休
 

 


 
(メモ)

杜の都と言われる仙台に中野釣具店はあります。

由緒ある商店街で育ち、ものづくりに好奇心旺盛だった少年が、成長とともにロッドビルディングを極め、中野釣具店三代目店主として店を切り盛りしています。

色を巧みにあやつり、お客様からの要望に応える匠の技をぜひご覧になって下さい。

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